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「菅の顔を見たくない人間がいる。」本来政策論をするべき政治家、しかも首相がワイドショーレベルの感情論にすり替え、TVがそれに乗じて、野党があたかも反対の為の反対をして足をひっぱっているかのような誤った印象を与える偏向報道を繰り返している中で、当の重要な自然エネルギー法案(「固定価格買い取り制度法案」)について、あまりにも内容がおざなりに報道されてるのが多くて驚きます。特に提供「ソフトバンク」とでかでかと表示されるような番組ではその傾向が顕著な気がするのですが、気のせいでしょうか。
今回の自然エネルギー法案が何故いけないかと言えば
①緊急性とは程遠い性質の政策である。 ②震災で経済が混乱する中では逆効果である。 ③資産家、金持ち優遇で、低所得者に負担増になる。
からです。この点が全く解説されていないのが異常です。 ここに自分は追加して
④いち企業のソフトバンクが個人的面識だけで、首相と癒着、談合している。
点でさらに悪質だと思います。
そもそもこの固定価格買い取り制度法案とは、自然エネルギーで発電した電気を価格を固定して、しかも一定期間の補償付きで電力会社に買い取らせ続けるという法案です。これは発電した電気を持続して買い取らせれるので、企業や資産家が自然エネルギー産業に参入しやすくして、将来的には自然エネルギーの発電割合を増やして行こうと言ったもので、先進国で取り入れられてる事が多く、その点では悪い事では無いと言えます。
しかし普通に考えればお分かりだと思いますが、現在原発の事故が収束の見通し無く、国家的電力不足をどのように補うかという緊急事態と、徐々に自然エネルギーの割合が増えれば良いなぁ・・・というこの法案とは微妙にズレた政策だという事です。首相が今行う事は、自分の責任と決断で電力のやりくりをどうするかと指示する時なのに、固定買い取り制度、などと言うのは実際の電力不足に寄与する法案では無く、全く意味不明なのです。これは原発事故で国民が混乱し、藁をもつかむ勢いで代用エネルギーを探す心理に付け込んだ、菅のエネルギー政策を利用した政局の色彩が強いのです。
特にこの法案が問題なのは、資産家や企業が新たにおこした自然エネルギー発電の買い取りを、国民全体で薄く負担する、つまり電気料金に上乗せされて徴収するという事です。これは平時に、国民の理解を得られたうえで実行されるのなら良い事かもしれません。けれど震災で東北はじめ全国的に大きな経済不況に陥る中、増税議論と同時に、電気料金の値上げまで実施するなんて正気の沙汰とは思えません。やはり今行う政策とは思えません。勘違い無いように繰り返しますが、自然エネルギーが悪いと言うのじゃなくて、固定買い取り制度を、郵政選挙の時のように原発事故のご時世に賛成しないのは悪だ!みたいな政局すり替えは絶対許されないという事なのです。
さらに言えば現行のソーラー発電は技術的にすぐさま原発の代用となれる性能は無く、日本の地理や環境的にも大規模発電に向かないという事です。もちろん将来の技術開発でそれらは克服できる問題かもしれません、けれどそれはやはり菅が「今どうしても通過させなければいけない法案。」と決め付ける性質のものとは全く思えません。
そしてやはり気になるのが、電気料金の値上げという国民負担直結の法案を政局に利用する菅直人と同時に、自分の企業の利益に直結するからと、個人的つながりで国の政策を左右しようとする孫正義にも疑念を感じます。
そもそも国民の多くの方が勘違いしているのは、孫正義が自分の身銭を切って、電力の不足している地域に、次々に施しのようにソーラーを設置して行く物だと思っている人が多いんじゃないでしょうか?それは全く違います。
孫正義が当初、自然エネルギー財団を設立というニュースで会見した時は、企業と関係無く個人として自然エネルギーを追求すると言っていましたが、ところが直後にソフトバンクの定款に電気事業が追加されています。このニュースは小さく報じられただけで、自然エネルギー財団!個人で10億!という記事とは比べられない物です。これは「世直し」「人助け」というイメージのみ先行させて、しかし実際は企業の事業として行っていくという、誠意とはかけはなれた行為だと自分は思います。このような手法はソフトバンク・孫が度々行っている物で、普段TVなどの情報しか接しない方が知らない孫の裏の面の一つです。
いやしかし、株主とか企業経営者という点で冷徹に見れば企業の業績を伸ばそうとするのは悪い事では無いという事も言えるかと思います。しかしその手法が、大事な顧客である一般庶民を騙すような物であったり、有力政治家と個人的つながりをはぐくむ事で自分の事業を成長させる事が正しいやり方でしょうか?
孫正義の擁護者のよくあるパターンが、NTTなど巨大な権益を孫が打ち破った!という物ですが、巨大な利権を打ち破るだけなら庶民の味方ですが、それに自分が取って変わって、首相や大臣に取り入って、自分が新たな利権になったら意味が無いと思いませんか?
特に震災発生から、心ある数少ない評論家から酷評され、財務官僚の言うままにこんな非常時に増税議論だけはちゃくちゃくと進める菅直人を、「10年続けて欲しい。」と言い放つ神経、まともとは思えません。たとえ自分と思想が似通っていても、いち企業の経営者として、政治と企業の癒着ともとれる行動は慎むべきだと思いませんか。自然エネルギー、ソーラーだと手放しで褒めちぎる、それはいくらなんでも軽薄な発想だと思います。
参考記事(無断リンク)
自然エネルギーの固定価格買取法案を出すつもりの菅直人
「顔見たくないなら法案通して」=菅首相、自然エネルギー普及に意欲太陽光や風力などの自然エネルギー普及を目指す超党派議員や民間人による緊急集会が15日夜、衆院議員会館で開かれ、菅直人首相も出席した。首相はあいさつで、電力会社に自然エネルギーによる電力の買い取りを義務付けた「固定価格買い取り制度法案」の今国会成立に強い意欲を表明。「『菅の顔を見たくない』という人も国会にはいる。それならこの法案を通した方がいい」と述べ、同法案成立までは退陣しない姿勢をにじませた。
by bluegreenEXT
| 2011-06-17 21:31
| エネルギー問題原発
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