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ドラマ不況も「相棒」独り勝ち 「ビジネスのヒントがつまっている」
テレビ朝日系で放送中のドラマ「相棒」(水曜午後9時)の第9シーズンが、視聴率1ケタに沈む番組も多い“ドラマ不況”のなかで、独り勝ちの強さを発揮している。2月23日には全シーズン中最高の視聴率23.7%を記録。なぜ「相棒」は強いのか、その秘密を探った。(萩原万貴枝) ドラマは、頭が切れすぎて出世コースを外れ、窓際の特命係に配属された警部、杉下右京=水谷豊(58)=とその相棒の活躍を描く。 平成14~17年のシーズン1~3は、裏に「トリビアの泉」(フジテレビ系)などの人気番組があったため苦戦する回もあったが、それでも平均視聴率は13%台。18年のシーズン5では16%台に上がり、映画化も実現した。今シーズンは放送された17話中10話が20%を突破し、まさに右肩上がりだ。
マンネリ排除
ドラマ関連本を手がける辰巳出版の宮島和宏氏は、物語がマンネリ化していないことを好調の要因に挙げる。「警察内部の腐敗、政治経済が絡む硬派の事件から、家庭内のいざこざまで多種多様の事件が起き、そのすべてに右京が対応する。冒頭から犯人がわかっている『刑事コロンボ』パターンもあれば、最後に判明する回もありと視聴者を飽きさせない」 右京の相棒の“交代劇”もマンネリ排除の象徴だ。21年のシーズン7の最終回から、相棒が寺脇康文(49)演じる人情派の亀山薫から、及川光博(41)演じる秀才の神戸尊(かんべ・たける)に変更。水谷は「バディもの(主人公が2人1組で活躍する作品)は頭脳派と肉体派という定説があるが、今は天才と秀才。守りに入らず攻めてきたことが長く続く一因では」と話す。
各世代にファン
その水谷人気も当然、欠かせない要因だ。水谷は「傷だらけの天使」(昭和49年)、「熱中時代」(53年)、「刑事貴族」(平成2年)など約40年のキャリアの中で何度もブームを起こし、「その時々のファンが各世代に潜在的にいる」と宮島氏。 テレ朝が「相棒」映画化の際、過去の放送回を集中的に再放送したことで「主婦ら潜在的なファンが掘り起こされ、人気持続の上で効果的だった」とも宮島氏は指摘する。
仕事に役立つ!?
「相棒にはビジネスのヒントがつまっている」と話すのは、経済・経営分野を専門とするジャーナリストの勝見明氏(58)だ。 「杉下には、他の人が気づかない手がかりを見つける知覚力、犯行の動機をつかむ洞察力、思いもつかない推理を導く仮説力、そして、あらゆる可能性と手段を駆使して解決する実現力がある」と分析。他の刑事ドラマより一連の流れが明確に描かれているとし、「これは仕事のプロセスそのもの。ビジネスマンの参考になる」と説明する。 ゼネラルプロデューサーの松本基弘氏は「物語の展開を先行させるよりも、主人公たちがひとりの人間としてどう動くかに重点を置いている。これからも視聴者の期待に応えていきたい」と話している。 (視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)
by bluegreenEXT
| 2011-03-08 19:58
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